ウチの実情シリーズ!
会計事務所の中で働いている私が、みなさんの気になる実際のトコロを暴露してゆく!
税理士という資格は、1つの税理士になるための試験があるわけではなく、消費税法・所得税法などの科目がありそのうちの5つに合格すれば税理士になれる資格を得られるという仕組みになっています。
通常は何年かにわたって科目合格を積み上げていって税理士資格を目指します。
会計事務所の職員になるのに税理士の資格をもっている必要はありません。
しかし、いくつかの科目に合格した実績は必須なのか!?
科目合格していたら転職や就職に有利になるのか!?
という疑問もあるようです。
今回はこの疑問に応えていきたいと思います。
科目を持っていないと採用されない?
会計事務所で働くには、税理士を目指していて何らかの科目に合格していないとダメなのか?というとそんなことはありません。
しかし、科目を持っていないと門前払いをする会計事務所もあります。
会計事務所の規模や状況によって様々なので一概には言えません。
しかし労働人口も税理士試験受験者数も減っているこの時勢です。大手会計事務所では足切りの条件を設定している所もあるかもしませんが、中堅会計事務所でも足切りはしないのではないかなという印象があります。
ウチの事務所では、税理士資格や科目も持っていなくても採用を行っています(規模的には一応従業員数15名の税理士法人で、中堅という位置づけかと思われます。)。
将来的に税理士の資格を取るために勉強する気があるかどうかは評価の対象になっているようです。
しかし、資格は取らずに担当者としての道を極めるという働き方も、資格を目指す人と同じように認められています。
就職への有利不利はある?
とはいえ科目に合格した実績は採用においては、効果的なアピールポイントに間違いなくなります。
簡単な試験ではないことは十分理解されていますので、自己管理能力や継続力、忍耐力、地頭の良さなど一定の能力を担保することができると考えられます。
税理士試験に臨む場合、簿記論や財務諸表論の勉強から入る場合が多いと思いますが、一度体系的に学んだ経験があるということだけでも採用する側としては安心感があります。
合格はしていなくても勉強しているのならアピールしてよいことだと思います。
よく税理士試験は実務には直結しないと言われますが、体系的な知識のあるなしは実務に影響するように感じます。
4科目持ちは敬遠するケースもあり?
4科目に合格している人は採用されづらいという話しもあります。
4科目合格者はあと一つ科目に合格すれば税理士登録ができる状態なので、採用してもすぐに辞めてしまう可能性が考えられるからです。
すぐに辞められた上に顧問先を引き抜かれるリスクがあるという考え方ですね。
ウチの事務所では4科目合格者を採用した実績が2回あります。
そのうち1名は2年目で合格し、きっちり辞めていきました。
しかし、実際はここまでトントン拍子に試験をパスできる確率は高くないと思われます。
合格したとしてもすぐに独立開業に至る人はもっと少ないという計算も成り立ちます。
先にも書きましたが、労働人口も税理士試験合格者数も減っている今、余程同時によりよい応募がない限り不利になることはないのかなというのが中で働いている私の印象です。