ウチの実情シリーズ!

会計事務所の中で働いている私が、みなさんの気になる実際のトコロを暴露していく!

さて、会計事務所に転職を考えている人の中には、「未経験」ということが引っかかり二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。

会計業界の未経験者でも会計事務所で働けるのか、入社してからのその後も含めて私の知っている実情を書いてみたいと思います。

未経験者でも採用されるのか

結論から申し上げると、未経験者でも採用されてます。

現在、私の働いている事務所には正社員7名中、未経験で会計業界に転職した人間が5名おります。

パートは4名中、3名が未経験からの採用でした。

ほとんど未経験じゃねーかっていう。

経営陣含めて経験者としてウチに入ってきた人間の中にも他業界からの転職組もいて、会計業界一筋の人間のほうが少ないです。

ウチの事務所は理由があって経験の有無を問わない採用方針なのですが、業界全体でもみなさんの思っている以上に未経験者にチャンスのある業界ではないかと感じます。

なぜ未経験でも採用されるの?

ウチの事務所が未経験でも採用する理由はいくつかあります。

ウチでは特に未経験を採用するメリットを重視しているのですが、他の会計事務所でも同様にメリットにはなることです。

どれだけ重視するかは経営方針の違いによって変わると思いますが、ウチだけの特殊事情ではないという理解で読んで頂ければと思います。

その1「育成のしやすさ」

仕事ができるようになるには、「仕事の型」を覚えるのが第一歩です。

中途採用のメリットは、仕事の型をすでに持っているので即戦力で働いてもらえることです。

しかし「個人ごとのやり方」が固まってしまったことはデメリットにもなり、「育成しやすい未経験者」を選ぶ方にもメリットがあります。

会計処理には何通りかのやり方があり、事務所毎にどれを採用するのかルールが決まっている場合があります。

前事務所のやり方に固執するような人より、ウチの事務所に合った仕事の仕方を1から覚えた人の方が長い目でみたら効率的という考え方ですね。

仕事の型とは、会計や経理のスキルだけではありません。名刺交換の方法や電話での話し方も型です。

そのような社会人スキルを既に持っているだけでも中途採用のメリットはあるので、ウチの事務所では業界未経験でも採用されています。

その2 「接客業という意識」

税務会計のスキルも大事なのですが、ウチの事務所では会計事務所の仕事は、接客スキルや営業スキルも大事であるという考え方があります。

特にウチの事務所は、税理士には固いというイメージがある中で、親しみやすさを重視しているのもあります。

一般的にも一昔前は、税理士は「先生」扱いで菓子折りをもってお願いする慣習もあったようですが、今では対等なビジネス相手という認識も広まっているのではないでしょうか。

会計事務所の業務は、想像以上に対人のやり取りが多く発生します。

恐らくウチだけではなく、多くの会計事務所でも税務の知識を極めた気難しい博士タイプの人より、人当たりがよくこちらのお願いを相手に聞いてもらえるような営業マンタイプの人の方が好まれるのではないかと思います。

もちろん、数字を扱うセンスは必要かと思いますが、税務会計の知識を後から教える方が簡単だと考えているようです。

採用後の仕事ぶりはどうか

暴露ブログなんで、ネガティブな情報も少し書いておく。

教育システムはぜんぜんなってない業界だと思う。

やりながら苦労して覚えろという傾向は強いように感じます。

大手の会計事務所と中小では事情が違いますけどね。

大手では教育システムもしっかりしているし、研修期間もたっぷり用意しているようですが、それは新卒向けで中途採用は即戦力を期待されているものと思われます。

逆に、中小の会計事務所が相手にするのは中小零細企業や個人事業主ですので、仕事の難易度はそれほど高くなりません。

もちろん素人目には難しい税法や会計の知識やスキルが必要ですが、一旦軌道に乗れば楽になります。

ウチの事務所では、業界未経験の転職組でも1年頑張れば、前線でバリバリ働く会計人になっているケースが多いです。

遅い人でも3年目には軌道に乗っていますね。

1人ででれくらいの数の会社を担当するのかは事務所の経営方針によって変わるので、残業なしで帰れるのか・忙しいのかは一概に言えませんが、仕事を覚えるのが難しい業界ではないということは言えると思います。

未経験者でも会計事務所に転職できる

もちろん業界経験があった方が有利ではあります。

数字を扱うには多少センスも必要です。

どれだけ丁寧に教えても、どうしても覚えが悪い人というのも中にはいます。

ですので他業界からの転職でも、経理など数字を扱った仕事の経験をアピールできたほうが有利だとは考えられます。

ぶっちゃけ、中小の会計事務所レベルならそんなに高度な税務の知識は必要としません。

センスが必要というより、センスがない人以外は何とかなる。という言い方の方が実情に近い気がします。

1年踏ん張って頑張れば、誰でも仕事は覚えられるというのが実感です。

税金の法律は頻繁に改正が行われるので、最新情報のキャッチアップは随時必要ですが、他業界でもそれなりに勉強は必要ですから会計業界だけが特別とも思いません。

それより、クセのある中小企業の社長さんとでも良好な信頼関係が築けるコミュニケーション能力の方がよっぽど必要とされる仕事です。

実は私もIT業界という他業界からの転職組なんですが、会計業界はかなりいろんな意味で楽ちんです。

そして雇う側としても未経験者には未経験なりのメリットがあります。

もし未経験を理由に会計業界への転職に二の足を踏んでいる人がいたら、勇気を出して飛び込んでみたらいかがでしょう?

案外何とかなるんじゃないかと思いますよ!